自分がどんな障害なのか分かり安心感を覚えた
30代女性、当時20代
発病までの背景
私は父・母・兄の4人家族です。
父親は公務員で、母親は銀行員です。
ごく普通の家庭で生活をしていました。
私は幼稚園生の頃から無口で、人と視線を合わせることがあまり出来ませんでした。
視線を合わせると恐怖を感じてしまうからです。
小学生の頃は友達もあまり出来ず、いじめられることがありました。
言い返すことが出来なかったので、余計にいじめられていました。
中学生になってからも、相変わらず視線を合わせることが苦手でした。
大人になって現れたアスペルガー症候群の症状
私は高校に進学して、大学にも進学しました。
授業にもついていけていましたし、授業の内容も理解していました。
知的な遅れはなかったと思います。
むしろ文章を読んだり文章を書くことが大好きで、論文を書くことがとても得意でした。
私は結婚をして、家事にとても苦労しました。
料理を作るために冷蔵庫の中を確認するのですが、そこから料理の完成図を想像することが難しかったです。
普通の人なら材料を見て料理を想像出来るのに、私には出来ませんでした。
掃除をすることも苦手で、片付けをしている最中に他のことが気になってしまい、手が止まってしまいます。
約束を忘れることも多いので、メモをすることは欠かせません。
メモをしなければ日常生活を普通に過ごすことすら困難です。
私が行った治療
私は自分がどこか健常者とは違う気がして、精神科の病院へ行くことにしました。
病院を選ぶときに気を付けていたのは、個人病院ではないところです。
大きな病院の方が良いと思いました。
通院するのに便利な精神科の病院へ通いました。
私は色々な検査をした結果、「大人のアスペルガー症候群」だということを教えられました。
私はショックを受けるかと思ったのですが、自分がどんな障害を持っているのかわかったので、むしろ安心感を覚えました。
治療方法は、パニックになったときに飲む頓服薬とカウンセリングです。
薬を飲むとパニックになっても落ち着くので、日常生活に支障が出なくなりました。
カウンセリングで困ったことを相談出来るようになり、とても頼もしく感じました。
その後
私は病院に行って良かったと思います。
このまま、自分がどういう特徴を持った人間なのかがわからないまま生きていたくなかったです。
大人のアスペルガー症候群だとわかれば、どんな行動をすれば症状が和らぐかがわかりました。
そして、健常者とは違うとわかったことで、出来ないことがあっても気持ちが楽になりました。
これからの生活をする上で、通院をしながら自分に出来ることを少しずつ見つけていきたいと思います。
そして、日常生活を楽しく過ごせたらと思います。
この体験談から学べること
とにかくメモを取る。習慣化すること。
むしろ診断されることで安心する。冷静に薬やカウンセリングに向き合える。