治療と転職で症状が安定した
30代女性、当時20代
自然と周りの子を傷つけていた
私は父、母、兄の4人家族でした。
4歳離れている兄は誰とでも仲良くなれる性格で活発でしたが、私は引っ込み思案で一人遊びが好きな女の子でした。
たまに他の子と遊ぶことがあっても、同じ歳の子とは遊ばず年下の子達とばかり遊ぶことが多かったです。
みんなと遊んでいる最中も思ったことを素直に発言してしまうことがあり、周りの人達を傷つけてばかりいました。
次第にみんな離れていくのですが、何故そうなってしまうのか自分では分からなかったのです。
社会人になり”アスペ”の症状が表面化した
学生生活も終わり、いよいよ社会人として働き出すようになりました。しかし、そこでも人間関係を上手く進めていくことができなかったのです。
仕事を始めたばかりの頃は、一度に多くの事を教えてもらうことになります。
しかし、私はパニックになり仕事をなかなか覚えることができませんでした。
突然のスケジュール変更や毎日の生活リズムが変えられてしまうこともパニックになる原因の一つでした。
仕事仲間と会話のキャッチボールが上手にできないことも問題でした。
相手は冗談で言っているつもりなのですが、私は真に受けてしまうことが多かったのです。
相手が怒っているのか哀しんでいるのかなどの喜怒哀楽を読み取ることができず、冷たい態度をとってしまうこともありました。
さまざまな方法で治療した
人間関係や仕事を上手く進めることができず、自分は他の人とは違うのかなと感じるようになりました。
たまたまテレビでアスペルガー症候群の話をしていたのを見て、自分に当てはまる部分が多く驚きました。
私はアスペルガー症候群なのかもしれないと思い、病院で診てもらうことにしたのです。
アスペルガー症候群を診断できる先生は少なく、病院に予約してみると2ヶ月待ちの状態でした。
アスペルガー症候群の治療方法では、薬を服用することになりました。
しかしそれは治すために飲むのではなく、症状を和らげる為に飲むのです。
うつ病になるのを防いだり、気持ちを安定させる効果があるのです。
職場での関係が上手く進むように、社会的スキルを身につけるトレーニングも行いました。
接客は向いていないので、ウェブデザイナーとして働いている
治療のおかげで、現在はパニックになることも少なくなり比較的安定した気持ちで過ごすことができています。
以前の職場は接客業だったので自分には合っていないと感じ、現在はウェブデザイナーとして働いています。
視覚型の仕事はやりがいを感じますし、自分に合っていると思っています。
アスペルガー症候群だと診断されてからは、声の大きさや一方的に話をしないように気をつけました。相手の表情を気にかけることも心がけています。