希望を持って投薬治療している
20代女性
発病までの背景
私は両親と兄の4人家族です。両親は公務員で、普通の家庭だと思います。
そんな家庭で育った私ですが、子供の頃からこだわりが強い傾向にありました。
靴を履くときの順番や、食べ物を食べるときの順番、食べる料理の種類など、細かいことにこだわりがありました。
育ててくれた両親は大変な思いをしていたと思います。
学生になってからも、「少し変わった子供」として認識されていたと思います。それでも大人の手助けがあったので、日常生活には特に苦労した経験はありませんでした。
大人になって現れたアスペルガー症候群の症状
私は段取りを上手く考えて行動をすることができない大人になっていました。
例えば、仕事では、重要なものから先に片づけるべきなのですが、その優先順位がわかりません。
上司の指示も、文章化してくれれば問題なく理解出来ますが、口頭のみで指示を出されるとわからなくなります。
生活面では、結婚をしてから、家事が不得意だということがわかりました。
特に料理が苦手でした。
料理は冷蔵庫の中身を想像して作るのですが、その想像をすることが出来ません。
冷蔵庫の中にどんな食材が入っているかをすぐ忘れてしまいます。
そのため、食材を多く買ってきてしまって、料理を作りすぎてしまうことがあります。
とにかく家事では料理が苦手です。
私が行った治療
自分が他の人とは違うと感じて、精神科へ行きました。その病院を選んだ理由は、家から近いので通いやすいと思ったからです。通いやすくないと大変なので、なるべく自宅から近いところを探しました。
病院で様々な検査を受けた結果、大人のアスペルガー症候群だということがわかりました。
私は普通の人と違うということがわかり、安心しました。普通の人のように振舞えなかった理由がわかったからです。
私はパニックを起こしたときのための頓服の薬を飲み、パニックが治まりやすくなりました。
また、抑うつ状態を治すための薬をもらい、気持ちを前向きにすることに成功しました。この投薬治療によって、日常生活が過ごしやすくなりました。
その後
アスペルガー症候群は、現在色々なメディアに取り上げられて、世間からの認知度が高まりました。
そのおかげもあって、私はアスペルガー症候群である事実を受け入れられるようになりました。
自分が健常者と違う理由がわかり、安心しました。
アスペルガー症候群は日常生活で不自由なことが多くあります。
しかし、工夫したり、適切な病院へ通うことでその症状は改善されていきます。
完全に治すことは出来なくても、希望を持つことはきっとできるはずです。