アスペルガー症候群にまつわる体験談

英会話教室の同僚がアスペルガー症候群でした

30代女性、当時20代

 

 私が子供向け英会話教室で働いていた時に、30代のアメリカ人男性の先生がいました。彼は結婚していて2児のパパでした。 しかし彼のレッスンや行動には周囲は大変悩まされていました。

 

 例えば、彼は定められたレッスン計画に沿った授業が出来ないのです。歌の時間、読み書きの時間、トイレの時間など決められた時間割がある事は彼も何度も言われているので重々承知のはずなのです。しかし、その日の始まりである歌の時間からよく時間オーバーしていました。そして他の先生ならオーバーした分を次の項目(読み書きの時間など)で調節するのですが、そういった事もできず最後までズルズルと遅れを引きずるのです。
 (=>アスペな大人の特徴-スケジュール管理ができない

 

 また、読書の時間ではその先生が本を読んでいる間、本当は子供達には座って聞いていてもらいたいのです。しかし、子供達が立ち上がっておもちゃで遊び始めてしまっても、その先生は注意もせず、前に誰も子供が座っていないのに本を読み続けたりもしていました。

 

 レッスン前後のミーティングでは何度も改善を求めたりしたのですが、毎回とても長い長い言い訳のような返事が返ってきていました。

 

 彼が入社して半年以上経ってからでしたが、改善策として会社側は1番上手な先生のレッスンを数日間見学するように命じました。実際、その後は少し改善されたのですが、それが3日程度しかもたず、1週間もすれば完全に元の状態に戻っていました。

 

 その他の対策としては、毎回会社のトップの人にレッスンを見てもらい、レッスン後にダメ出しをしてもらう事も何度かしましたが、大きな改善には至りませんでした。

 

 結局彼は、1年間で契約を打ち切られてしまい、その仕事を続けることは出来ませんでした。本人は続けたかったようで、何度かトップに懇願している姿もありましたがトップの判断は変わりませんでした。

 

 私たちが彼がアスペルガー症候群である事を知ったのは、たまたま同僚が彼の知り合いから聞いたからでした。彼の母国のアメリカでそのように診断され通院もしていたそうです。日本に来てからは病院へ行った事がないと言っていたので、日本では診断されていなかったのだと思います。

”生きにくさ”を感じるようなら医療機関へ

 このサイトを見て自分もしくは配偶者や家族など、身近な人がアスペなのでは?と思う方がいるかもしれません。

 仕事や日常生活に支障をきたすほど”生きにくさ”を感じるようでしたら病院で診てもらいましょう。

 大切なのは自己判断しないことです。正確な診断は医療機関で行われます。
 =>【医師監修】アスペルガー症候群の大人が行く病院

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 =>「アスペな大人」に向いている仕事や就労支援

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