「アスペ」な大人

自閉症スペクトラムとは?

 自閉症スペクトラム(Autistic Spectrum Disorder、略称ASD)とは、広汎性発達障害に属する疾患を1つの連続する症状として捉える概念のことです。

 

 この広汎性発達障害には、自閉症やアスペルガー症候群、高機能自閉症などが含まれています。

 

 知的障害レベルや自閉症状の強弱によって、呼び名が変化していくという概念です。

 

 

 「スペクトラム」とは日本語で連続体という意味です。

 

 虹は赤から紫に変わりますが、境界線はなく、グラデーションしています。

 

 「自閉症」「高機能自閉症」「アスペルガー症候群」

 

 この3つの疾患は、自閉に基づくコミュニケーション障害を持つという特徴があるのですが、自閉症スペクトラムという概念の基では、知的障害レベルの高低や自閉症状の強弱によって、名称が区別されていくのです。

 

 「自閉症」の連続体なので、「自閉症スペクトラム」と呼ばれています。

 

 どのような基準で区別されているのか、下表にまとめました。

 

自閉症スペクトラムに分類される、主な疾患毎の特徴
病名 知的障害の程度

自閉症

多くの場合、知的障害を伴い、次の特徴がある。

  • 言葉の発達に遅れがある。
  • 身振り手振りなど、言葉以外のコミュニケーションが困難。
  • 物、人、場所、行為などに強いこだわりがある。

高機能自閉症

初めのうちは、言葉の発達の遅れはあるが、知的障害はない。自閉症の約2割に見られる。

アスペルガー症候群

言葉の発達に遅れはない。知的障害もない。
すべての自閉症の特徴を備えたアスペルガー症候群の人は比較的少ない。

 

 医師の診断によって病名が決まると、一般的にその病名に従って治療が行われます。

 

 大切なのは、病名にとらわれることなく、自分の持つ能力を最大に発揮して、充実した生活を送ることです。

 

 アスペルガー症候群と診断された私も、最初はショックを受けました。

 

 しかし、今では前向きに捉えていいて、逆に病名がついてすっきりした感じさえもしました。

 

 だからこそ、日々の生活で工夫しようと努力したり、周りの人に助けを求めたりできているのだと思っています。

 

自閉症スペクトラム

DSM-5におけるアスペルガー症候群の扱い

 近年、自閉症と高機能自閉症、そしてアスペルガー症候群という3つの障害は知的レベルの違いはあれど、同じ種類の障害であるという考え方が主流となっていました。

 

 2013年に発表された精神障害の診断と統計の手引き(DSM)の最新版DSM-5では、この3つの障害の区別がなくなり、「自閉症スペクトラム」に一本化されています。

 

 自閉症も高機能自閉症もアスペルガー症候群も自閉症スペクトラムの一種という位置づけになります。

 

 自閉症は知的な遅れを伴い、高機能自閉症は知的な遅れが目立たず、アスペルガー症候群は知的な遅れがないものの独特な特性を伴う障害と考えられています。

”生きにくさ”を感じるようなら医療機関へ

 このサイトを見て自分もしくは配偶者や家族など、身近な人がアスペなのでは?と思う方がいるかもしれません。

 仕事や日常生活に支障をきたすほど”生きにくさ”を感じるようでしたら病院で診てもらいましょう。

 大切なのは自己判断しないことです。正確な診断は医療機関で行われます。
 =>【医師監修】アスペルガー症候群の大人が行く病院

 また、仕事が続かない、うまくできないといった悩みを抱えた方のために就労支援機関が設けられています。
 =>「アスペな大人」に向いている仕事や就労支援

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