アスペルガー症候群にまつわる体験談

勉強はできるが仕事ができず悩む日々

 来院された大学院卒のAさんのエピソードです。

 

 融通が効かず、仕事ができません。

 

 「適当」がわからない。

 

 学校のテストと違って、仕事では明快な答えがないことばかり。

 

 あまりのできなさぶりに、Aさんは会社から「治るまで出社しなくていい」とまで言われてしまいました。

 

 自分でもおかしいと思うけど、一体何を治したらよいのか分からないAさん。

 

 匂いや音にも敏感で出社するだけでもヘトヘトです。

 

 身体は悪くないので、とりあえず、精神科で診てもらうことにしました。

 

 知能検査、心理検査を受け、その結果から発達障害と診断されました。

 

 薬での治療を始めたものの、副作用が強すぎたためかとにかく眠い。

 

 相変わらず、仕事ができないので「もう転職するしかないのだろうか」「転職したとしても向いている仕事なんてあるのだろうか」と悩む日々。

 

 その後、転職する予定があったが、直前でやめてしまいます。

 

 もっと別の治療のアプローチが必要ではないかということで”発達特性外来”を紹介しました。

 

 そこでカウンセリングを受けるようになります。

 

 カウンセリングを続けるうちに心がだいぶ楽になっていきました。

 

 認知行動療法を始め、冷静に対処を考えられるようになりました。

 

 抗うつ薬のイフェクサーも効き始めました。

 

 匂いや音に敏感な問題はマスクにハッカ油をつけたり、耳栓をしたりして対処しています。

 

 無理に向いている仕事を探すことはない。

 

 とりあえず自分にできることを始めてみようということで、前向きな気持ちになることができました。

”生きにくさ”を感じるようなら医療機関へ

 このサイトを見て自分もしくは配偶者や家族など、身近な人がアスペなのでは?と思う方がいるかもしれません。

 仕事や日常生活に支障をきたすほど”生きにくさ”を感じるようでしたら病院で診てもらいましょう。

 大切なのは自己判断しないことです。正確な診断は医療機関で行われます。
 =>【医師監修】アスペルガー症候群の大人が行く病院

 また、仕事が続かない、うまくできないといった悩みを抱えた方のために就労支援機関が設けられています。
 =>「アスペな大人」に向いている仕事や就労支援

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