アスペルガー症候群にまつわる体験談

適切な処方薬により症状を抑えられた

20代男性、当時10代

 

発病までの背景

 家族構成は、両親と、兄が一人です。
 2人兄弟で、自分が子供の頃は、兄とよく遊んでいた思い出があります。
 母親、父親とは、あまり外出した思い出がありません。
 特に父親は、怖いイメージがあり、いつも会社から帰ってくると、無言で夕食を食べて寝てしまう感じでした。
 小学校の高学年になる頃に、自分が少し、周囲について行けない感じがしました。
 母親が小学校に呼び出された事もあります。
 先生からは、もう少し、授業に集中するようにと言われたと思います。
 学校では、仲の良い友人も数人いて、一緒に遊んでいたので、当時はまだ大丈夫だったのだと思います。

 

大人になって現れたアスペルガー症候群の症状

 僕の場合、いわゆるアスペルガーと言われ始めたのは高校生になってからの頃です。
 何が問題だったかというと、自分はかなり勉強はできた方なのですが、部分的に、非常にできの悪い科目があった事です。
 良い点を取れたのが、理系の科目、特に物理です。
 非常に悪い点を取ったのが、日本史です。
 進級できない程度の、悪い成績を取ってしまい、家庭訪問を受けました。
 日本史がどうしても、頭に入らず、つまらないので、出席もしませんでした。
 卒業ができないという騒ぎになり、補習を受けさせてもらって何とか高校を3年間で卒業しました。
 ちなみに物理は学年で1位でした。
 ですので、出来の良い科目はよく勉強するのに、歴史が嫌いでさぼってしまうという事で、アスペルガー症候群では、と疑われ始めたのです。

 

私が行った治療

 大学に一応入学はできたのですが、母親の勧めもあり、アスペルガー症候群かどうかを医師に診てもらう事にしました。
 大学に通いはじめて、急に、友人ができなくなりました。
 自分では良く分からないのですが、医者にかかる程度に傍から見ても少しおかしい行動があったのだと思います。
 授業に出なかったり、単位を落としたりしました。

 

 医者に行く時には、心療内科にかかったのですが、かかったお医者さんは、話をよく聞いてくれました。
 少し、様子を見ますという事で、1週間に一度通院しました。
 小さい医院でしたが、お医者さんはとても面倒を良く見てくれる人で、「薬を飲む治療法もあるけれど、嫌だったら、別の方法で」と選択肢をくれました。
 母親と一緒に毎回通院していましたので、母の勧めにより、薬を少し飲んでみる、という事にしました。
 薬は、精神安定剤のような物かと思います。
 自分が突発的に学校から帰ってしまいたくなったり、授業をサボりたくなったりする症状はおさまりました。
 ある程度、90分の授業をおとなしく聞いていられるようになったのです。

 

その後

 現在は、会社員をやっています。
 残念ながら、新卒のときは、就職活動をしているうちに嫌になって投げ出してしまいました。
 その為、新卒の時は、まともに就職できませんでした。
 大学を卒業後、ハローワークでゆっくり仕事を探しました。
 家から通える場所で、難しくない事務作業の仕事があったので、そこに応募しました。
 隠していても、すぐに分かってしまうという事で、アスペルガー症候群気味という事は、社長に話しておきました。
 それでも採用してもらえました。
 自分の難点は、集中力が低い事、作業途中でも嫌になって放りだしてしまう事などです。
 それが分かってからは、自分なりに、1日の間に、事務作業や軽い体力仕事など、色々な作業をして、気が散らないようにしています。
 周囲の方の理解もあり、何とか3年程勤め続けています。
 今は、仕事を続ける事が第一目標です。

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