アスペルガー症候群にまつわる体験談

同じ病気で苦しむ人達を知り、頑張ろうと思った

30代男性、当時20代

 

子供の頃から部屋を片付けられなかった

 私はごく普通の家庭に生まれました。父親は公務員で、母親は専業主婦です。お金に不自由することもありませんでしたし、その点は両親に感謝しています。
 しかし、母親は子供の私を傍で見てきて、特徴的なことがあると気づきました。
 私は片づけることが苦手で、部屋はいつも散らかり放題でした。母親に何度注意されても上手く片づけることが出来ず、自分自身にイライラしてしまうことがありました。当時は子供だから片づけが出来なくても仕方がないと言われました。今思えば、これがアスペルガーを感じる最初の出来事でした。

 

何でも真に受けてしまう

 生活をする上で、私には様々な困難がありました。
 学校生活で、友達が言った冗談を冗談と受け止めることが出来ませんでした。例えば、「死ぬほど嬉しい」と言った友達が心配で病院に連れて行こうとしてしまったこと、などです。私には言葉の真意を理解することが困難なのです。
 しかし、私に知的な遅れはありませんでしたので、学校もどうにか卒業しました。その後就職をしましたが、会社で重要な書類を自宅に忘れてしまったり、上司からの指示が無いと何も出来なかったりしたのです。上司から私の人格を否定するようなことを言われてしまい、うつ状態のような気持になりました。何をしても自分には出来ないと思うようになってしまったのです。とても辛かったです。
 参考=>アスペな大人の特徴-冗談が通じないアスペルガーと二次障害-うつ病

 

友人からの指摘でアスペルガー症候群を疑った

 私の今までの行動が、アスペルガーの症状に似ていると友達から指摘を受けました。そして、私はインターネットで調べ、自分の体験がアスペルガーと似ていることに気づきました。それをきっかけに病院で治療をしようと思ったのです。
 病院を選ぶときに重要視したのは、自宅から近いかどうかでした。これから通院をするとなれば、自宅から通いやすい方が良いと思いました。
 予約をして病院に行きました。自己診断テストを行い、これがアスペルガーの症状に当てはまるかを診ます。そして、主治医の先生から、アスペルガー症候群と診断されました。それからは通院して、処方された薬を飲んで憂鬱な気持ちを軽減しています。それと同時に、私のこれからの生き方についてのアドバイスや、改善プログラムを受けてきました。
 参考=>アスペルガーの症状を軽減する薬

 

同じ病気で苦しむ人達がいることを知り、自分も頑張ろうと思った

 私は、これまで自分が他の人と比べて何も出来ないダメな人間だと思っていました。アスペルガーである自分を受け入れることが難しく、そして恥ずかしいという気持ちを抱くようになっていました。
 しかし、治療をするために通っている病院には、私よりも重い症状に苦しむ人達もいます。それに、私と同じアスペルガーで苦しむ人達もいるということを知りました。
 私は1人ではないと知り、とても心強いと思いました。私だけだったら、きっと途方に暮れていたでしょう。治療をして良かったです。

”生きにくさ”を感じるようなら医療機関へ

 このサイトを見て自分もしくは配偶者や家族など、身近な人がアスペなのでは?と思う方がいるかもしれません。

 仕事や日常生活に支障をきたすほど”生きにくさ”を感じるようでしたら病院で診てもらいましょう。

 大切なのは自己判断しないことです。正確な診断は医療機関で行われます。
 =>【医師監修】アスペルガー症候群の大人が行く病院

 また、仕事が続かない、うまくできないといった悩みを抱えた方のために就労支援機関が設けられています。
 =>「アスペな大人」に向いている仕事や就労支援

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