アスペルガー症候群にまつわる体験談

アスペルガー症候群の同僚を周りでサポートした

30代女性、当時20代

 

 私が営業マンとして働いていた時、同じ部署にあまり仕事ができない20代後半の男性がいました。彼の行動がいつも不思議でしょうがなかったです。

 

 例えば会社の固定電話でお客さんと話している最中に携帯電話にかかってきた電話に出て、両耳に電話を当ててあたふたしているところを見た事があります。でも彼は正直1人の話すらちゃんと理解できるかどうか怪しいところでした。

 

 また、うっかりミスやお客さんからの依頼を放置など誰でもたまには(年に1回ぐらいは)あるかなというミスを頻繁にしていました。
 ですので、同僚やお客さんから注意されたり嫌味を言われたりする事もよくあったのですが、表情や行動を見る限り全く反省しておらずまた同じミスを繰り返していました。

 

 この時点では、彼自身を含め誰も彼がアスペルガー症候群である事を知りませんでした。

 

 会社内では彼に重要な顧客や複雑な案件は任せられないという風潮が自然と出来上がり、彼にはあまり重要でない顧客やシンプルな案件が任されるようになりました。

 

 また営業補佐の女子事務員たちは、他の営業マンには口頭や簡単なメモ程度で伝言していたのですが、彼には専用の伝言ボードを彼の机に設けました。

 

 伝言する方はテープ状のポストイットを使い、ボードに彼に伝言や、やらなければならない事を箇条書きのようにして伝えていました。またその伝言のポストイットは彼が手をつけなければいけない順に上から並べられていました。

 

 正直、彼1人ではこのボードの効果はそこまでなかったと思います。しかしこのボードのおかげで周りが彼のしなければいけない事を把握でき、目に付いた人が「ooさんに折り返しの電話した?」などと声をかけ改善されてました。

 

 彼はこの会社で3年目を迎えた時、親友の同僚の勧めで精神科の診察を受けました。彼の親友は彼の行動について注意散漫症候群を疑っていたそうですが、診断されたのはアスペルガー症候群でした。
 (=>アスペルガー症候群の大人が行く病院

 

 検査の為とセカンドオピニオンのために何度か病院へ通ったらしいのですが、治療のためには通院していませんでした。

 

 彼は全く空気が読めない人でしたが、1つ良かったのは感情的になる事があまりなく穏やかな性格だった事です。

 

 その後、私は転職してしまい、彼は今どうしているか分かりませんが、周りの人がアスペルガー症候群を理解してサポートできた良い例だと思っています。

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