アスペルガー症候群にまつわる体験談

不思議ちゃんといわれた私の悩み

30代女性、当時20代

 

発病までの背景

 私は小さい頃からよく”不思議ちゃん”と言われていました。
 見た目は真面目で、実際、勉強熱心でもありました。
 家族は母、父、姉、私の四人家族で、私と姉は幼い頃から特に学校の勉強をしなくてもテストで100点をとって帰ってくるなど、かなり成績は優秀だったと思います。
 姉はしっかりもので私は本当に宇宙人かと言うくらい天然ぶりを発揮し、家族にも「変な所はしっかりしているのに変わっている」と言われていました。
 学校でもその通りで私は空気を読めずに友達と遊んだ記憶があまりなく本を1人で読んでいた記憶が残っています。
 また、集団行動が苦手で1人で列から外れてしまったこともしばしばありました。

 

大人になって現れたアスペルガー症候群の症状

 大人になってからもその空気を読めない症状や行動が残っていて、友達などから「天然をこして大がつく天然だわ」と言われるレベルになってしまいました。
 頭は良かったので勉強に困ったことはありませんでした。
 ただ、決められたことをやることはマニュアル通りに動けば良いので得意でしたが、仕事はマニュアルがないので社会に出てから非常に困るようになりました。

 

 コンビニに就職しました。
 一応正社員で入社したのですが、上司が何を言っているのか理解できないことも多々あり、この場ではこうして、個々では次にこうしてねと続けて言われるともうパニックでした。
 1つずつ教えられるとわかるのですが2つになると理解が全くできません。
 日常生活においても、銀行に行くのになぜか郵便局に行ってしまったりするなど、周りの人に苦労をかけています。

 

私が行った治療

 ある時、夫や姉からあまりにも私の行動や発言が突飛なので、一度検査をした方が良いのではないかと病院を勧められました。
 私もどんな仕事も続かず困っていたので、何か原因がありそれを改善できるならと思って賛成しました。

 

 病院はすぐに予約がとれましたが、発達障害かもしれないとなると、子供の時の通知表や付添の人が必要でした。
 その情報集めにも苦労をしました。
 検査をしてもらったところ、軽度の自閉症スペクトラムで、アスペルガー症候群の症状がみられるとのことでした。

 

 知能はある一定のものがずば抜けて高いのですが、例えば算数の文章問題が異常にできないとかそんな感じで苦手なものと得意なものの差が激しいとのことでした。
 治療方法は、薬などはなく、日常生活で困っていることを相談してどのように過ごしていったら良いかアドバイスをもらうという感じでした。
 それでも誰かに相談できるということが私の心のオアシスになっています。

 

その後

 私はアスペルガー症候群であることを認めることで一歩成長ができたように感じます。
 どんなに普通の人のように頑張ってもできないものもあると言うことを認めて、仕事選びも難しそうなものは排除し、できそうなものだけ挑戦しています。
 人の顔色を見るのがまだ苦手なので、常識やこんな風に言われたらこう言うと良いよということを周りから教えてもらっています。
 わからないことは人に聞いて、学びながら生活をしていっています。
 普通の勉強より難しいですが、生きていくうえで大事なことだと思っています。

”生きにくさ”を感じるようなら医療機関へ

 このサイトを見て自分もしくは配偶者や家族など、身近な人がアスペなのでは?と思う方がいるかもしれません。

 仕事や日常生活に支障をきたすほど”生きにくさ”を感じるようでしたら病院で診てもらいましょう。

 大切なのは自己判断しないことです。正確な診断は医療機関で行われます。
 =>【医師監修】アスペルガー症候群の大人が行く病院

 また、仕事が続かない、うまくできないといった悩みを抱えた方のために就労支援機関が設けられています。
 =>「アスペな大人」に向いている仕事や就労支援

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