アスペルガー症候群にまつわる体験談

冷たい人間と認識されイジメを受けてきた

30代男性、当時20代

 

特定の分野について熱く語りすぎる

 私は30代後半のサラリーマン男性です。
 中肉中背の普通の外見の30代男性の私ですが、子供の頃から現在に至るまで「アスペルガー症候群」という病気を患っています。
 アスペルガー症候群はコミュニケーション能力が欠落しているのが特徴の病気で、私は子供の頃から周りの大人や友人、同級生の人達から「マニア」や「オタク」と認識され育ってきました。
 別に私自身はマニアやオタクではないと感じているのですが、趣味の鉄道の事やゲームやアニメの事でアツくなりすぎる事があり、そのように人から見られてきていたのです。

友達が泣いている理由が分からない

 私が自分自身のアスペルガー症候群の症状に初めて気がついたのは大学生時代でした。
 生まれ育ちも東北地方ののどかな田舎で育った私は、幼稚園と小中高時代を田舎の村で過ごしました。
 子供時代には友達ともちろん遊んでいたのですが、私は子供時代から友達が怪我をしたり泣いているのを見ても、「友達が泣いている理由や痛がっている理由」がよく分からず、友達をほったらかしにして遊んでしまう事がよくありました。
 そういった事を続けている内に「○○(私の名前)君は冷たい」と友達から認定されてしまい、小学校高学年の時にはクラスの皆から無視されてしまった事がありました。
 中学生になっても小学校時代の同級生がクラスメイトに多かった為、イジメは続き、中学生時代まではイジメに遭いながら過ごしてきました。
 参考→アスペな大人の特徴-他人を傷つけることを平気で言う

 

テレビ番組の特集を見てアスペルガーではないかと気づいた

 私は中学生時代まで、「性格が冷たい」という小学校時代の私自身の行動が原因となって起きたイジメによっていじめられていました。高校は県内の中心部にある進学校に進学した為、それまでの同級生のほとんどの人達と学校が別となりイジメは無くなりました。
 高校3年間は大学進学の為の勉強に明け暮れ、無事東京にある私立大学に合格し、大学進学の為に上京しました。3年生のとき、私はテレビのドキュメント番組で初めて「アスペルガー症候群」の事を知りました。
 アスペルガー症候群に悩む人が「人間関係の構築」が出来ず、他者とうまくコミュニケーションが取れない、というドキュメント番組でした。「これはまさに自分の事だ」と感じた私は、当時暮らしていた私の東京都内のアパートの近隣にあった総合病院の精神科に行き、医師の診断を受けてみたのです。
 すると、医師からは「境界性パーソナリティ障害もしくはアスペルガー症候群」という病気のおそれがある事を伝えられました。
 私はアスペルガーもしくは境界性(ボーダー)の病気がどうすれば治るのか医師に尋ねたのですが、医師からは「ボーダーのひどい患者さんには投薬治療が功を奏するケースもありますが、アスペルガーは薬で治療するものではありません」と言われ、「眠れない時に」と言われて睡眠薬を2週間分処方されました。
 睡眠薬を処方されたのと同時に「アスペルガー症候群について」という小冊子のような本を医師から渡され、帰宅後に本を読みました。「アスペルガー症候群は薬では治せない」「アスペルガー症候群を理解してくれる人達のサポートが必要」と書いてあり、「困った時には医師に相談しましょう」と書いてありました。
 その後、私は精神科に眠れない時にだけ何度か通いましたが、アスペルガー症候群の本格的治療を行った記憶は一回もありません。

 

アスペルガー症候群でも会話を大切にして生きていく

 現在はシステムエンジニアとして都内にあるIT系の会社に勤務しています。自分自身では違和感を感じながらも、会社内の人付き合いを出来るだけ積極的にするようにしています。
 人付き合いの方法がまったく把握出来ていない私は、インターネット上に書かれている「コミュ障」と呼ばれる人達のケースの「逆」の行動を取るようにしています。コミュ障の人達のような行動を取らないようにして、出来るだけ人と会話してコミュニケーションを取るようにしています。そうして、会社内での人間関係のトラブルが起きないように注意しています。
 これからも自分がアスペルガー症候群という事だけは忘れずに、人と出来るだけ積極的に話すようにする生活を続けていきたいと思っています。

”生きにくさ”を感じるようなら医療機関へ

 このサイトを見て自分もしくは配偶者や家族など、身近な人がアスペなのでは?と思う方がいるかもしれません。

 仕事や日常生活に支障をきたすほど”生きにくさ”を感じるようでしたら病院で診てもらいましょう。

 大切なのは自己判断しないことです。正確な診断は医療機関で行われます。
 =>【医師監修】アスペルガー症候群の大人が行く病院

 また、仕事が続かない、うまくできないといった悩みを抱えた方のために就労支援機関が設けられています。
 =>「アスペな大人」に向いている仕事や就労支援

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