医師が私の話をなんでも肯定的に聞いてくれた
20代男性
発病までの背景
育ってきた環境はごく普通だったと思います。ただ幼少期はあまり保育園に通っていなかったこともあり、同年代の子供たちと関わる機会があまりありませんでした。
私がアスペルガーではないかと初めて指摘したのは中学校の担任の先生です。中学2年生の時、文化祭でリーダーを任されました。みんなの意見を受け入れずに勝手に最終決定して自分のやりたいことを通してしましました。
残念なことにそれがきっかけでクラスメイトには嫌われ、いじめの対象となってしまいました。
いじめと勉強が上手くいかず不登校になっていた私と、母親、担任の先生で面談した事がありました。
その時に初めてアスペルガーという発達障害のことを知り、自分に障害があるのではないかと疑いました。
大人になって現れたアスペルガー症候群の症状
一番問題になってくるのはやはり人間関係です。
教育業界の事務職の仕事についていたのですが、同じ職場の女性が私のことが原因でやめた事がありました。
私はアドバイスのつもりで指導していた事が相手にとってかなりストレートでキツいとように受け取られてしまっていたようです。
彼女には「○○さんは人の気持ちがわからないのですか?ちゃんと相手の気持ちに立って話した方がいい」と言われ、そのまま辞めてしまいました。
相手の立場に立っているつもりが、そう受け取られない。そんな苦労が人間関係において良く起きる気がします。
私が行った治療
私は幸運にも早期にアスペルガーを発見できた身であるので、あまり参考にならないかもしれません。でも現在問題を抱えつつもなんとか社会生活ができているのは、かかりつけの医師のおかげだと思います。
基本的に精神科医や心療内科にかかり、そこから専門医へ紹介というケースが多いそうなのですが、私の場合は中学校の先生の紹介で直接専門医にかかる事ができました。
専門医の方はとてもポジティブな人で、毎回私の言葉を頷きながら肯定して聞いてくれます。私はSSTと言うトレーニング療法を受けました。そこでは主にロールプレイでいろんな場面を想定して、どう言う場面でどう言う風に振舞うべきかを学びました。
このトレーニングを継続的に行っていく中で、徐々に学校生活での人間関係にも適用できるようになり、友達もできるようになりました。
その後
現在も職場での人間関係に悩んでいることはたくさんあります。思ったようにいかないことばかりです。今まで何度も人との関係を壊してきた経験があるので、それが寂しいです。
昔よりは回数が減りましたが、今でもアスペルガーを治すためのトレーニング療法に通っています。人間関係を壊しているのは毎回自分のほうからであるという認識は少なくともありますので、まずは自分が変わろうという目的意識を持って頑張っています。
この体験談から学べること
医療機関でSST(ソーシャルスキルトレーニング)というプログラムを紹介してもらえます。SSTでは社会において人とコミュニケーションをとりながら生きていくスキルを身につけることができます。不安な人はSSTを受けてから社会に出ることを検討しましょう。