アスペルガー症候群にまつわる体験談

アスペルガーっぽい後輩を思いやることが改善に繋がった

30代男性、当時20代

 

発病までの背景

 私は幼少期から友達が少なく、また兄弟もいなかったため一人で遊ぶことが多かったです。
 電車が好きで、近所の線路沿いで特急列車や普通列車をずっと眺めることもありました。
 絵を描くことも好きだったので、下手なりに電車や飛行機の絵を毎日描いたりしていました。
 幼少時から趣味的にもかなり内向的な性格だったんじゃないかと思います。
 中学生になると友達と遊ぶことも殆ど無くなりました。
 高校時代は部活にも入ってなかったですし、まるでただ登校して下校していたと感じるくらいの生活をしていました。

 

大人になって現れたアスペルガー症候群の症状

 大学を卒業したあと、私は流通系企業の事務員として就職しました。
 しかし、ミスが多くて怒られることが多かったのです。
 私自身は真面目にやっているのですが、上司の指示を勘違いして行動することも多くて、怒られるたびに仕事が憂鬱になっていきました。
 「やる気が無い」「真面目にやれ」と上司や先輩に日々怒られるので、憂鬱感や劣等感は積もっていったのです。
 一緒に入社した同僚はどんどん仕事を覚えていくのに、私はあり得ないミスを連発するだけの毎日で本当に辛かったです。
 仕事術の本も何冊も読みました。
 しかし、実際にやってみても上手くいかなくて、「おや?」と思いました。
 ここで「根本的に自分はおかしい」ということを自覚し始めたのです。

 

私が行った治療

 私は世間体を気にして、人目に付かない心療内科を選んで通いました。
 診断結果は「うつ状態」と「アスペルガー症候群」でした。
 医師からはアスペルガーの二次障害として、うつ状態が悪化する寸前だったといわれました。

 

 処方された薬は「抗うつ剤」でした。
 夜眠れてはいたので特に睡眠薬などは飲んでいませんでした。

 

 仕事を退職して、しばらく休息をとったあと自分に合った仕事を探しました。
 前の職場では、誰かと連携して行う仕事はまったくダメでしたが、パソコンを使っての書類作成などはよく出来ていたと思っています。
 後にWebデザイン会社に再就職したのですが、自分の特技を活かせているためかそこそこ上手くいってます。
 環境によって症状が出るかは大きく変わることが分かりました。

 

その後

 今現在はWebデザイナーとして健康に働けていますが、職場の傾向からかアスペルガーっぽい後輩が多いと感じます。
 通常の人とは物の捉え方が少し違いますから、私なりに配慮して向き合うことを意識してます。
 すると、自分自身の障害を客観的に見れるようになり、想像力をフルに使って何とか人間関係も上手くいくようになりました。
 障害に気付いて人はみんな違うということを知りましたし、まずは「人に優しく」することを心掛けるようになりました。

”生きにくさ”を感じるようなら医療機関へ

 このサイトを見て自分もしくは配偶者や家族など、身近な人がアスペなのでは?と思う方がいるかもしれません。

 仕事や日常生活に支障をきたすほど”生きにくさ”を感じるようでしたら病院で診てもらいましょう。

 大切なのは自己判断しないことです。正確な診断は医療機関で行われます。
 =>【医師監修】アスペルガー症候群の大人が行く病院

 また、仕事が続かない、うまくできないといった悩みを抱えた方のために就労支援機関が設けられています。
 =>「アスペな大人」に向いている仕事や就労支援

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