お医者さんに何でも話すことで改善に向かった
20代女性
発病までの背景
厳格な両親のもとで育ちました。
5歳年上の兄がいましたが、これといって小さなころ、ともに遊んだ記憶がありません。
周りの友達家族とくらべて、家族で一緒に仲良くバーベキューや旅行に行った経験がなく、共働きの両親のもと1人で寂しく過ごす時間がとても多かったと記憶しています。
小学校・中学校時代は、勉強はまあまあできたものの、朝スムーズに起きられない・遅刻が多いなどのミスは多かったように思います。
大人になって現れたアスペルガー症候群の症状
短大を卒業して、小さな会社の事務職として働き始めました。
スケジュール管理ができなく、上司に命令された以外のイレギュラーな仕事に対応できないなど、小さなミスが重なり始めました。
上司や同期は私の性格によるものだと思ったらしく、ガミガミと責め立てます。
私自身わかってはいるのですが、努力しているのに報われず、モヤモヤ・イライラとした気分が募るようになりました。
コピー1枚さえ、満足に取れない自分に嫌気がさしたのです。
帰宅後、必要以上に父や母とぶつかることも多くなりました。
遅刻・欠勤などが増えてきて、自分自身どうしてよいやらわからない、不安な日々が続きました。
そんなときに、たまたま書店で目にした「アスペルガー症候群」の特集を見て、自分ももしかしたらアスペルガーなのではないかと気づいたのです。
私が行った治療
アスペルガー症候群かもしれないと母に告げ、母に付き添われて近所のメンタルクリニックを訪れました。
問診の結果、大人のアスペルガー症候群と診断されました。
原因がクリアになったことで、わずかですが、今までの苦労や悩みが少しずつ晴れていくのを感じました。
母は投薬治療を望んだのですが、主治医の先生いわく「アスペルガーに対応できる薬は現時点ではない」とのこと。
直接的な薬はないものの、精神を安定させる薬は処方できるといわれ、イライラや憂うつな気持ちを正常化させるために、処方された精神薬を飲みながら月に2回程度、メンタルクリニックを訪れる生活が始まりました。
小さなころの生い立ち・辛い会社員生活のことを赤裸々に話し、今まで感じたことのないような開放感を覚えました。
その後
現在は月に1回と、やや通院回数は減ったものの、いまだメンタルクリニックに通う日々を続けています。
上司にはアスペルガー症候群であることを伝え、機械的に処理できる雑務を中心に、仕事内容を見直してもらいました。
これを読んでいる方が少しでも「私はアスペルガー症候群なのではないか?」と疑ったとき、早めに医療機関やクリニックを訪れてほしいと思います。
一歩足を踏み出すことで、世界はかわります。
また適切に治療を受けることで、改善策がきっと見つかります。泣き寝入りや諦めを捨てることによって、きっと描いていたような未来を手に入れることができると思います。