アスペルガー症候群にまつわる体験談

父がアスペルガー症候群でした

40代女性、当時10代

 

 父が典型的なアスペルガーでした。当時はアスペルガーという言葉もなかった時代で、身勝手な父の行動には本当に悩まされました。

 

 父の特徴としては、
『人の話を全く聞かず、唐突に自分のしたい話を始める』
『何か集中していることがある時に話しかけても対応できない』
『場の空気を読まず、更に場の雰囲気に合わない話を平気でする』
『嫌味や嫌がらせをすることが平気』
 などなど。

 

 その上怒るとどういう行動に出るかわからなかったので、私の幼少期は父の機嫌をうかがいながらの日々でした。友人を連れていくと、父の好奇心が満たされるまで質問漬けにするのには困りました。相手の親の職業まで聞いてくるような人だったので。

 

 そして、いつも家では裸でした。出かける時も自分がその時期着ると決めているものしか着ないので、ボロボロでも場に合わなくてもお構いなしなのにも閉口しました。

 

 ただしアスペルガーとはいえ基本的には家族の好きな人でしたので、その点に関しては信頼することができていたのは良かったです。私にもアスペルガー的な部分があるので、似た者同士としての軋轢もありました。同族嫌悪というものでしょうか。

 

 当時はアスペルガーという言葉もなかったので、うちの父親はちょっと変わっている…と思いながらの生活でした。

 

 生活面での工夫としては、
『父が何かに集中しているときは話しかけない(話かけても答えることができない上怒りだすので)』
『物事の説明は手短に、順序立てて』
『父が決めた予定には、できる限り従う』
 などが有効でした。

 

 決まった時間に決まったことをするのが好きな人なので、たとえそれが早朝3時にゴミの分別を始めるというようなことでも、他人に迷惑をかけない限り止めないことも重要です。父が思っている一日の予定がスムーズに遂行されれば、機嫌が良いですから。

 

 家族みな、父の扱いには慣れてしまっていたので、『お父さんはこういう人』として、皆が受け入れていたと思います。

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