アスペルガー症候群にまつわる体験談

自分の症状に合った治療を施してくれた

20代女性

 

発病までの背景

 子供の頃、わたしはいわゆる「いい子ちゃん」として生きていました。
 小学校時代の成績は優秀、学級委員をすすんで勤めるなど、側から見て「成長の早い子供」という印象を持たれていたことを覚えています。
 三人姉妹の次女として生まれた私は、三女が生まれた直後の小学三年生の時、家に引きこもるようになりました。
 思えばそれが人とは違う生き方の始まりだったのかもしれません。
 一ヶ月ほど入浴もせずに家に引きこもりましたが、その後もリーダー的な立ち位置は変わることがありませんでした。

 

大人になって現れたアスペルガー症候群の症状

 アスペルガー症候群の症状で困り始めたのは20代になってから、主にコミュニケーション上の症状がひどく現れました。
 実際にアスペルガー症候群の診断を受けたのもその頃のことです。
 例えば、聞いたことを極端な意味で受け取って過大解釈してしまったり、周りの影響を過度に受けやすいといった症状が出ます。
 一般の人から見たら「こういう性格だ」の一言で済んでしまうような症状が多く、なかなか理解されないので困っています。
 アスペルガー症候群と診断される前は、自分ですら自分のことを「怠けている」と判断し、責め続けるような毎日を送っていました。
 学校には遅刻ばかりでまともに通えず、成績も年齢を重ねるごとに悪化するばかりでした。
 二次症状として、強迫性障害も発症しました。

 

私が行った治療

 学校から紹介を受けて以前から通っていた近所の小児神経科で、診ていただきました。
 何年も同じ病院に通い成人したあたりで、しっかりと症状を話したところ、アスペルガー症候群と診断を受け、そちらも考慮した治療方法に移っていきました。
 受けた治療は、まず知能検査から障害の度合いまで、さまざまな角度からの検査から始まりました。
 行動療法や認知の歪みの調整など、私の症状に合わせた治療法を医師に判断していただき受けたことを覚えています。
 アスペルガー症候群を含めた発達障害の症状は本当に人それぞれですので、その人の症状や性質に合わせた治療法を医師と共に考えていくことが大切だと思います。

 

その後

 現在は目立った症状も落ち着き、就労移行を意識したデイケアに通っております。
 しかし、それ以上にレベルの高い就労移行支援事業所からは、もう少し医療に近い場所で訓練した方がいいと言われてしまいました。
 自分の病気や症状を十分に理解したつもりで過ごしてきましたが、まだ足りないところがあったようです。
 これからはこれまでの治療で学んだことに加え、このデイケアでさらに意識を高く持ちながら、自分と向き合っていきたいと思っております。

”生きにくさ”を感じるようなら医療機関へ

 このサイトを見て自分もしくは配偶者や家族など、身近な人がアスペなのでは?と思う方がいるかもしれません。

 仕事や日常生活に支障をきたすほど”生きにくさ”を感じるようでしたら病院で診てもらいましょう。

 大切なのは自己判断しないことです。正確な診断は医療機関で行われます。
 =>【医師監修】アスペルガー症候群の大人が行く病院

 また、仕事が続かない、うまくできないといった悩みを抱えた方のために就労支援機関が設けられています。
 =>「アスペな大人」に向いている仕事や就労支援

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