アスペルガー症候群にまつわる体験談

トラブルを起こさない環境を作った

30代男性、当時20代

 

発病までの背景

 小学生時代は非常に大人しい子どもでしたが、それは今までもずっと似たようなものだと思います。
 友達は少しは居ましたが、他のクラスメートと楽しく会話することは無かったと思います。
 4人家族で2歳離れた弟が居て、とても活発で性格は私とかなり違いますが仲は良かったです。
 私はスポーツがとても苦手ですが、勉強は得意でしたし両親からも勉強に関してガミガミ言われることはありませんでした。
 ちょっとしたイジられみたいなことはありましたが、基本的には普通に学校生活を送っていました。

 

大人になって現れたアスペルガー症候群の症状

 流通系の企業に事務職として就職したのですが、早々にコミュニケーションで躓きました。
 大学時代でも多少苦労したことはありますが、会社では本当に致命的なことばかりでした。
 直属の上司はかなり穏やかな人だったのですが、ある別の先輩社員とちょっと意思の疎通が難しく、仲が良くなかったです。
 私が「これだ!」と一度決めたことを最後まで貫き通すので、融通が利かず周りからは邪険に扱われていました。
 元々言葉による意思の疎通が下手でしたが、一度嫌われてしまうと、ずっとその下手な部分を責められてすっかり落ち込んでしまいました。
 その後かかった病院で「非定型うつ病」、さらに「自閉症スペクトラム傾向がある」と診断されました。

 

私が行った治療

 当時はうつ症状があったのので、まずは抗うつ剤で治療をしました。
 医師と治療を続けたり、カウンセリングしていくうちに、環境で悪化するタイプのうつ病でした。
 また良い機会もあったので、会社を退職することにしました。
 すると、症状はかなり改善はしていきました。

 

 近所の医療相談センターで薦められた大学病院へ通うようになりました。
 グループワーク的なものもありましたが、心理相談が多かったです。
 抗うつ剤で症状が抑えられていましたし、周りは同じくアスペルガーの方や専門家ばかりなのでストレスが無く、改善がかなり早かったです。
 カウンセリングや認知療法を繰り返すうちに、ここで自信を取り戻していきました。

 

その後

 アスペルガー症候群は病気では無く脳の性質だと知ってからは、出来るだけトラブルを起こさない環境作りを努力しました。
 具体的に言うと専門職、そして自営業で生きていくことにしました。
 元々パソコンはあまり上手くありませんでしたが、向いていたのかプログラミングの資格を比較的早く取得出来ました。
 最初は少人数の会社でプログラマーとして仕事をしました。
 実は代表者がアスペルガーを自称していて、確かに私と性格がよく似ていました。
 そのせいか、こんな私にも理解が持ってくれたのでトラブルは起きませんでした。
 私は現在フリーのプログラマーとして生活していて、ストレスを感じないような生活を心掛けています。

”生きにくさ”を感じるようなら医療機関へ

 このサイトを見て自分もしくは配偶者や家族など、身近な人がアスペなのでは?と思う方がいるかもしれません。

 仕事や日常生活に支障をきたすほど”生きにくさ”を感じるようでしたら病院で診てもらいましょう。

 大切なのは自己判断しないことです。正確な診断は医療機関で行われます。
 =>【医師監修】アスペルガー症候群の大人が行く病院

 また、仕事が続かない、うまくできないといった悩みを抱えた方のために就労支援機関が設けられています。
 =>「アスペな大人」に向いている仕事や就労支援

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