アスペルガー症候群にまつわる体験談

大学のサークルが救いとなった

20代女性、当時10代

 

女子の中で仲間はずれにされていた

 二人姉妹の四人家族の家庭出身です。父親もアスペルガーでした。家族仲は良く、特にやはり父と似ていたため、父によく懐いていました。大人のやってほしいことを先回りして読んでやる子だったので、怒られることはほぼなかったそうです。
 小、中と、成績が良いことと優等生なこと、そして空気を読めないことを理由に、女子の中で仲間はずれにされたり、シカトされたり、軽いいじめに遭ってたりしました。そのころはまだアスペルガーだと知らなかったので、自分が変わっていることに気付かず、ただ「私は人に嫌われる人間なんだ」と思っていました。

 

重度の躁鬱病に苦しむ

 感受性がとても強く、人間よりも本が好きで、放っておくとずっと本を読んでいます。空気が壊滅的に読めません。自分でもそんな自分が嫌いです。とにかく真面目で、スケジュールを決めて完璧になるまで勉強するタイプでした。しかし、それがたたって高校時代に二次障害としてうつ病を発症し、それがやがて躁鬱病になり、医者でテストを受けてはじめてアスペルガーだと分かりました。アスペルガーの程度は軽いのですが、躁鬱病が重く、五年間の闘病を今のところ送っています。まだ躁鬱病は治る気配はありません。自殺未遂は四回ほど経験しており、リストカットも一時毎日のように繰り返していました。大学は通信制に通っていますが、就職はおそらくできないと思います。余りに重いので、自立支援と障害者年金をもらって生きています。

 

大学のサークルが救いとなった

 父が躁鬱病で通っていた病院に行くことにしました。アスペルガーかどうかのテストを受けましたが、IQに60の差が見られました。コンサータというADHDの人用の薬を服用していますが、これは朝のうつ状態を抜け出すためです。カウンセリングに通ったこともありますが、あまり効果はなく、専ら投薬治療に専念しています。デイケアも通ったことがありますが、アスペルガーの度合いが低いので、馴染めませんでした。救いになったのは、近所の大学のサークルに入ったこと。みんな良い人で、「自分は嫌われないこともあるんだ」と自信になりました。同じようにうつ病の友だちがいるので、つらいことがあったら互いにメールして励ましあうことで、何とか支えを得ています。

 

無理をせず在宅の仕事をしている

 今はアスペルガーの症状はあまり出ておらず、もっぱら躁鬱病と闘っています。けれども、やはり同年代の友だちができたことが励みになり、積極的にサークルでの活動を行っています。サークルの存在は、「自分は自分を過小評価していたのかもしれない」と考えるきっかけになりました。今は自殺未遂もリストカットもやっていません。 これから、おそらく普通企業に就職はしても仕事に出勤できないので、ライター業も含めて、在宅で仕事をすることを模索しています。これからは、無理しすぎず、ただなるべく家族の負担にならないように生きていきたいと思っています。

”生きにくさ”を感じるようなら医療機関へ

 このサイトを見て自分もしくは配偶者や家族など、身近な人がアスペなのでは?と思う方がいるかもしれません。

 仕事や日常生活に支障をきたすほど”生きにくさ”を感じるようでしたら病院で診てもらいましょう。

 大切なのは自己判断しないことです。正確な診断は医療機関で行われます。
 =>【医師監修】アスペルガー症候群の大人が行く病院

 また、仕事が続かない、うまくできないといった悩みを抱えた方のために就労支援機関が設けられています。
 =>「アスペな大人」に向いている仕事や就労支援

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