アスペルガー症候群にまつわる体験談

離婚を機に自分の症状に向き合うようになった

40代男性、当時30代

 

発病までの背景

 私は両親と私と妹の4人家族でした。私は、小さい頃から両親がこわくて、びくびくしながら育ちました。両親のヒステリックな状況を常に見てきていました。
 また、怒られる際は必ずたたかれることもありました。
 怒られないようにするために、嘘をつくことも多かったです。
 もちろん嘘がばれてしまうと怒られてしまい、それもまた怖くて、嘘を重ねてきた幼少期でした。
 妹は私のように怒られるようなことはなく、いつもなぜ自分だけと思うことが多々ありました。

 

大人になって現れたアスペルガー症候群の症状

 私は30代に入り結婚して子供を授かったのですが、離婚することとなりました。
 もちろん原因は私にあります。
 私は自分の感情を抑制することができず、奥さんに当り散らしていたからです。
 もちろん当初は奥さんも我慢してくれていたと思います。

 

 しかし、私の気分で左右される家庭に嫌気をさして、出て行ってしました。
 結局そのまま、離婚することとなりました。

 

 私は自分の感情を抑えることができず、奥さんに怒鳴ってしまっていました。
 それでも、自分の気持ちが落ち着いた後は、怒りもおさまり、普通に接していました。

 

 怒るほどのことでも、私は常に自分の怒りを抑えることができませんでした。
 そして、異常な感じで爆発させていたのです。
 私は怒りつつ、自分の不甲斐なさに気づいていたと思います。
 それでも自分が抑えられなかったのです。

 

 一方、仕事では自分を取り繕うことができていました。
 仕事ではある意味自分を出していなかったのかもしれません。
 その反動がすべて家庭で出ていたのだと思います。
 自分の思い通りにならなかったり、思った通りの答えが返ってこないと完全に切れてしまう状態でした。

 

私が行った治療

 私は現在、カウンセリングに3年通っております。
 自分の気持ちをコントロールできない状態であることを自分なりに知ってはいました。
 でも、これがアスペルガー症候群の症状によるものであるとは、気づいていなかったのです。

 

 そして、離婚してから自分で自分のことが許せなくて毎日苦しみました。
 もちろん今も苦しんでおります。
 しかし、元に戻ることはないという現実を受け止めつつ、どうすれば人とうまくやっていけるのかを考えていました。

 

 私はそういった自分の状況をいろいろ調べていくうちに、自分の過去に何かトラウマがあるのではと思うようになったのです。
 そして、カウンセリングに行くようになり、そこで自分がアスペルガー症候群であるということが分かりました。

 

 私は本で読んだ知識で、アスペルガー症候群は完治しないものだと知ってはいました。
 しかし、カウンセリングの先生と一つ一つ自分のことを話すことで徐々に気持ちが整理されていきました。

 

 また、私自身が試みていることは、世の中に悪い人はいないと考えるようにしていることです。
 以前は、人はみんな悪人と考えておりました。
 そのため疑心暗鬼になることが多々あったのです。
 もちろん、今も完全に疑心暗鬼が消えたわけではありません。
 しかし、徐々にその考え方を変えるように自分なりに努力しております。

 

その後

 私は自分が病気であることを知ってから、家族を持つことがすごくこわくなりました。
 そして、ある意味、離婚したことは子供のためにも良かったのだと思うようにしております。
 自分が病気であると認識するのはとても辛いことでしたが、それでも子供のためにも治したいと思っております。

 

 もちろん復縁は望めませんが、いつか自分を子供が見て、少しでも自慢の父親と思ってもらえるよう努力していくしかないと考えております。
 それでもやはり、たまにどうして自分だけこんな状態なのかなと考えることもあります。
 自分に負けないようにがんばるしかありません。

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