アスペルガー症候群にまつわる体験談

出来る範囲で頑張るよう考えが変わった

40代男性、当時20代

 

独りでいるのが好きな子どもでした

 私は独特の感性を持っており、周りから「変わっている」とよく言われます。職業はこれまで一般企業で働いてきました。組織の中で、私は周りに合せることが、ストレスに感じることが多かったです。子供の頃から少し周りとは異なっていました。独りでいることに何の問題も感じませんでした。逆に集団でやると楽しいことと言われることが苦痛でしかたありませんでした。休み時間の定番、ドッジボールには参加しませんでした。育ってきた環境も影響していると思います。まず、私の両親もアスペルガーの兆候があり、もっと酷いのが親族達でした。遺伝の要素がかなり高いと感じています。

 

 

マニュアルが覚えられない

 私は周りとの調和が苦痛に感じます。独りでいることが好きで、独りの世界に入ると安心します。時には周りと一緒にいることも楽しいとは思いますが、思考が異なる為に面白いと思うポイントが違うのです。大人になり経験から学び、空気を読むという部分は多少マシにはなりましたが、それでも衝動的に周りがビックリするような言動をしてしまいます。子どもの頃や学生の頃は、独りで動いていても問題がありませんが、仕事を始めると自分の考えが周りの非常識になることが多く、またそのような言動をするために浮いてしまいます。また、仕事における業務で問題が表面化します。出来ることと出来ないことに差があり、一般人が簡単に出来ることが全く出来ないというケースもあり、何度も解雇された経験を持っています。マニュアルというものが覚えられなくて毎回困ります。

 

この方は「マニュアルを覚えられない」ことがアスペルガー症候群の症状だと思っているようです。しかしながら、本来アスペルガー症候群の人はマニュアルに従って動くことが得意である人が多いのです。もしかすると、この方はアスペルガー症候群ではなく、別の症状なのかもしれません。

 

医師から心理カウンセラーを紹介してもらった

 何かがおかしいと思った私は、精神科へ行きました。心理テストを受けて、発達障害であるかどうかをテストしました。結果は、アスペルガー症候群の兆候はあるが、断定はできないというものでした。確証は得られませんでしたが、日々の生活で問題行動が多く、社会に適応できてないので対処法を探すことにしました。医師から紹介してもらった、心理カウンセラーのイベントや講義に参加し、対処法を学び始めました。症状と上手く付き合えば普通の人と同じように仕事も恋愛も出来ることを教わりました。彼らにアドバイスされたことは、一般常識は捨てること・努力はしないこと・常に好きなことを突き詰めて、その中でビジネスに繋がることを選ぶこと。このようなことを言われてから、少し考えが変わりました。

 

出来ることを優先して前向きに生きていく

 現在でもやはりアスペルガーのような症状は出ます。しかし、人生を上手く生きていっているアスペルガー症候群の方の話を参考にして、私に向いた仕事・恋愛を探していこうと思っています。これまでは周りと同じようにやろうと努力して、何度となく失敗してきました。これからはもっと、出来ることに意識を向けて生きていくつもりです。出来ないことに意識が向き過ぎて苦しんできた人生なので、無理はせず、好きなことや出来ることを優先して、前向きに生きていこうと決めています。

 

アスペルガー症候群は、脳の先天的な機能障害が原因だと言われています。したがって、努力だけでは、どうにもならないことはあります。この方がアスペルガー症候群かどうかは分かりません。しかし、いずれにせよ、無理をせず、出来る範囲で頑張っていくという姿勢は、精神的にも楽で、なおかつポジティブなものだと言えるでしょう。

”生きにくさ”を感じるようなら医療機関へ

 このサイトを見て自分もしくは配偶者や家族など、身近な人がアスペなのでは?と思う方がいるかもしれません。

 仕事や日常生活に支障をきたすほど”生きにくさ”を感じるようでしたら病院で診てもらいましょう。

 大切なのは自己判断しないことです。正確な診断は医療機関で行われます。
 =>【医師監修】アスペルガー症候群の大人が行く病院

 また、仕事が続かない、うまくできないといった悩みを抱えた方のために就労支援機関が設けられています。
 =>「アスペな大人」に向いている仕事や就労支援

page top