お金の管理ができない
30代女性、当時20代
夏休みの宿題はいつも間に合わなかった
私は父・母・祖母・兄の5人家族で、ごく普通の家庭で育ちました。裕福というわけではありませんでしたが、それでも人並みに生活出来る環境でした。
子供の頃は興味の持てない遊びには全く集中出来ませんでした。しかし、自分で楽しいと感じることには時間を忘れて集中していました。
スケジュールを組むことが苦手で、夏休みの宿題や冬休みの宿題を提出日までに間に合わせることは出来ませんでした。
友達の冗談を本気で受け取ってしまい、そのせいで怪我をしたことがあります。
お金の管理ができない!
私は学生時代には知能の遅れも無かったので、自分が障害を持っているとは感じませんでした。自分の行きたい高校にも大学にも進学出来ました。就職も出来ましたので、特に不便に感じることはありませんでした。
しかし、就職して給料をもらうようになってからは、自分がいくらもらっているのは全く把握出来ていませんでした。無計画にお金を使ってしまい、カードの支払いが溜まってしまうことがありました。
仕事中にも自分の名前を呼ばれないと自分のことだと気づけなかったことがあります。1度に2つの仕事をこなすことが出来ず、上司に怒られてばかりいました。
いつの間にかそんな自分が嫌になってしまい、会社を辞めてしまいました。社会にはもう復帰出来ないと思いました。
認めるのが嫌で病院にしばらく病院には行かなかった
私はその後両親に精神科のある病院を紹介されました。私は自分が障害者であることを認めるのが嫌で、しばらく両親に勧められても行きませんでした。
しかし、毎日が憂鬱になってしまい、このままではいけないと思って精神科へ行くことにしました。精神科は完全予約制で、まずは電話で予約をしました。病院では身体検査や血液検査、脳の検査や心理テストを行いました。私はアスペルガー症候群と診断されました。障害者だとわかったとき、気持ちは不思議とほっと安らいでいました。
その後は定期的に通院をして、医師から日常生活での困難をアドバイスされたり、抗うつ剤をもらって前向きな気持ちになることが出来ました。仕事でのことも相談出来るようになり、リラックスすることが出来ました。
周りの助けや業務の工夫で仕事を頑張れるようになった
現在の私は会社に就職して社会復帰することが出来ました。会社ではアスペルガー症候群の私を受け入れてくれて、仕事の指示を的確にしてもらっています。片付けることが苦手なので、どこに何を置いたのか直ぐにわかるようにネームシールを貼るようにしています。また、自分では出来ないことは周りの人に助けを求めるようにしました。
私は自分がアスペルガー症候群だとわかって良かったと思います。社会復帰も出来ましたし、これからも仕事を頑張っていくつもりです。
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