アスペルガー症候群にまつわる体験談

アスペルガー症候群を疑った友人が私の背中を精神科へ押してくれた

 アスペルガー症候群と言うと、何となく子どもの病気だと思っていました。ところが、大人でもアスペルガーにかかる人はいる、正確にいうと、子どものころの症状が大人になって目立ってくる人が多いそうです。そして、私自身がそうだったのです。社会人になってから人と付き合うのに疲れ、人付き合いを避けるようになってしました。

 

 私のことをアスペルガー症候群ではないかと指摘したのは、医療に詳しい私の親友でした。信頼できる精神科があるとのことで、付き添ってもらって受診することになりました。小さい頃からの親友だからこそ、急に人付き合いができなくなってしまった私のことが心配になったようです。

 

 精神科というと、何となく恥ずかしい気持ちがあり、できることなら一生、訪れたくないと思っていました。でも、親友も一緒に行ってくれたので、とても心強く感じられました。リラックスして受診できたのは、親友と医師の穏やかな人柄が良かったのだと思います。

 

 初診はカウンセリングが中心でした。いつからどんなふうになってしまったのかといったことなどを、医師に話しました。これまではどちらかと言うと社交家だったため、自分でも不思議に思っているという正直な気持ちも話しました。初対面の人に、これだけ自分の内面を話せたのは初めてのことだと思います。さすがプロだと思いました。

 

 それに、話してみたことによって、急に心が軽くなったような気持ちになったのです。親友にはいろいろと話していましたが、私はもっと他人にも心の内をさらけ出したかったのだということに気が付きました。

 

 それから治療が始まりました。薬物治療もまじえながらです。幸い、私はまだ症状が軽い方だったらしく、通院も苦痛に感じませんでした。初めのうちは親友に付き添ってもらっていましたが、今では一人で通院できるようになりました。

 

 アスペルガー症候群は心の病気ではなく、性格も関係ありません。先天的な脳の機能障害が原因です。治療を続けていくうちに、話を聞いてくれる人がいるという事実が嬉しくなり、薬の効果もあるのだと思いますが、少しずつ良くなってきているように思います。最近は外へ出ることも苦にならなくなりました。親友が背中を押してくれたお陰です。

 

=>アスペルガー症候群の大人が行く病院

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