アスペルガー症候群ではないかと心配した両親が病院を勧めてくれた
30歳を過ぎて初めて自分が「アスペルガー症候群」であることが判明しました。
小学校の頃までは勉強もできて天真爛漫、そして誰とでも仲良く話せる優等生として学校や家庭でも扱われてきました。
しかし、中学校に入学して周囲の友人や環境が変わった途端に、自分でもどうして良いのか分からないくらい日常生活に支障があらわれるようになってしまったのです。
具体的には空気が読めない、同級生との会話が合わないなどです。普通にしているつもりでも、周囲には変わり者扱いされていました。
しかし、当時はアスペルガー症候群という疾患がメジャーではなく、両親や教師などからは性格を改善するように注意されていました。でも自分ではどうすることもできず、悶々とした中学、高校、大学時代を送っていました。
しかし、就職氷河期そして自分の問題から、就職することができずにフリーター生活をすることになりました。
正直あまり焦りは感じておらず、ただ日々の生活を送っていましたが、ある日アルバイト中に先輩から「お前は普通じゃない、おかしい」と言われたことをきっかけに他人と関わることに恐怖を感じ、外出ができなくなってしまいました。
そんな私を見て心配した両親が健康本や医学書を読み、私がアスペルガー症候群ではないかと疑い、病院で受診することになりました。
病院へ行くとまずカウンセリングが始まりました。カウンセリングでは幼少の頃から現在までの自分のことを1時間以上も喋り続けていたそうです。自分では時間が分かりませんでした。その話の内容や話している最中の動きなどからアスペルガー症候群だと診断されました。
私はアスペルガー症候群という疾患を知らなかったのですが、医師に解りやすく時間をかけて説明してもらったおかげでだんだんと理解することができました。
自分がアスペルガー症候群だと知り、今までのさまざまな出来事は病気のせいだったということが分かり正直ホッとしました。
アスペルガー症候群を根本的に治す薬はないのですが、現在は内服薬や定期的なカウンセリングなどによって落ち着いた日々を送ることができています。