アスペルガー症候群は「治る」ことはない
アスペルガー症候群を含む発達障害は、何が原因で発症するかはっきりとは分かっていません。
ただ、脳の先天的または出産時による機能障害に原因があるのではと考えられています。
そのため、アスペルガー症候群は完全に「治る」病気とはいえません。
また、アスペルガー症候群を含む自閉症スペクトラムは、脳の機能障害に加えて、中枢神経系の異常が関係していると考えられています。
中枢神経系とは脳と脊髄を結んでいる神経のことで、行動や生命維持の制御を行う場所です。
言葉や見たもの、味や音などのあらゆる情報を受け取って、それに応じて適切な指令を体の各部位に送ります。
この中枢神経系が上手く働かないと、脳と体が協調的に連動せず、会話や行動がぎこちなくなります。
発達障害は薬や治療で「治る」ことはありません。
しかし、発達障害の特性を個性ととらえ、長所を伸ばすように教育していくことで、素晴らしい成長を遂げる可能性もあります。
国は「発達障害者支援法」をつくりました。
この法律は、発達障害者が自立や社会参加ができるようになるために、その生活全般にわたる支援や福祉の増進を目的としたものです。
また、教育機関においては「特別支援教育」が導入されています。
アスペルガー症候群を含めた発達障害者の支援するための制度が整備されてきています。
有効に利用しましょう。