カサンドラ症候群
カサンドラ症候群とは、アスペルガー症候群の方の”配偶者”が、日頃から適切な意思疎通ができないことによって陥る症状です。
アスペルガー症候群本人が起こる症状ではありません。
具体的には偏頭痛やパニック症状などが起こります。
カサンドラ症候群は、日々の憤りが積み重ねで起こってしまう症状です。
そのため、いつから発症したのか、非常に気づきにいというのも特徴の一つです。
現代は核家族化が進み、親世代や兄弟、親戚と同居するケースが減っています。
アスペルガー症候群本人と配偶者が意思疎通に困っても、家族が多ければ、問題が解決できることも多いでしょう。
しかし、夫婦だけや夫婦と幼い子供といった家族の場合だと、配偶者とのコミュニケーションは基本的に1対1です。
困ったときに誰も頼ることができない「核家族」が大きなの原因ではないかといわれています。
アスペルガー症候群は女性より男性の方が多いため、「アスペルガー症候群の夫とカサンドラ症候群の妻」のような形で紹介されることがありますが、逆に「カサンドラ症候群の夫とアスペルガー症候群の妻」というケースも往々にしてあります。
また、カサンドラ症候群は配偶者だけではなく、アスペルガーの方と関わる友人、会社の同僚にも起こるという見方もされています。
カサンドラ症候群に悩まされた経験
カサンドラ症候群に悩まされた方の体験談を紹介します。
カサンドラ症候群というものをご存じでしょうか。
これは、パートナーがアスペルガー症候群であるがゆえに、コミュニケーションが上手くいかず、精神的・身体的に苦痛を感じてしまう症状のことです。
なお、カサンドラ症候群は正式な病名ではありません。
私の場合は、夫がアスペルガー症候群だったのですが、当初は病気であるという認識がなく、アスペルガー症候群という言葉さえも知りませんでした。
毎日、夫の言動に少しずつ理解できない点があり、それが積もりに積もって、ある時ついに私はストレスから不眠症になってしまいました。
しかし、夫は世間的には立派な職業に就き、役職と部下も持っており、表面的には何も問題が無かったこともあって、「なぜこんなに素晴らしい夫にストレスを感じるのだろう」「私は何という心が狭い人間なのだろう」と、酷い自己嫌悪にも陥っていました。
不眠症がなかなか改善しなかったため、ある時、精神科を受診しました。
そこで初めて、私の状態はカサンドラ症候群であるという自覚を持ちました。
それまで自分の人格に問題があると思い込んでいた中で、カサンドラ症候群という名前が付いたことで、私はずいぶんと救われた気がしました。
そして、夫もまたアスペルガー症候群という病気であったことを知り、自分を責めることも無くなりました。
その後、少しずつではありますが、お互いの症状の克服に向けて、夫と歩み寄る努力を続けています。